居場所:強くなれる

現実世界の居場所は、家庭や学校・職場などがある。しかしそれらは縮小したり、不安定になったりしている。他方、スクリーンの向こうの居場所は広がっている。いつでも、どこでもつながることができる。


「孤独担当大臣」が必要な時代

世帯平均人数は、急速に減少しており、企業の広告にあるような家族の風景は、いまはほとんどない。自治会や消防団など、地縁的な場も大きく縮小している。企業と個人の関係も離れている。

一方、ソーシャルメディアが、必ずしも個人の居場所として機能するわけではないこともわかってきた。それどころか、孤独感を増幅させるという研究もでてきた。 2018年1月に、イギリスでは「孤独担当大臣」が新設された。政府の委員会では「孤独が人の肉体的、精神的健康を損なう」と警告し、900万人が孤独を感じているという。高齢者だけでなく、子供たちも。そして、孤独がイギリスの経済に与える影響を約5兆円としている。 そのような中、日本では、多世代の「居場所」の可能性が注目されている。代表例は、港区芝地区にある「芝の家」など。

ナナメの関係の可能性を探求


人とのつながりを生み出すための対話力や身体性。誰もが自分の持ち味を発揮できるようなデザイン。

Graphic by Eri Sato