私たちは生活の中で、表札とポストで郵便物を受け取ったり、判子やサインで宅配便を受け取ったり、何らかの身分証で携帯電話の契約をしたり、クレジットカードを使うときにサインしたりしている。「共通のルール」のようなものが、みんなの頭に入っている。 デジタル世界では「私です」ということを、どのように伝えるのだろうか。
利便性と安全性のバランスが悩ましい
PCやスマホを使いこなしているひとの3割は10以上のID(あるいはアカウント)とパスワードを使っている。バンキング、買い物、新幹線、飛行機、動画など、あなたはいくつのIDを使っているだろうか。 たくさんのIDを管理するのは大変だ。ソーシャルネットワークのIDで、さまざなサービスにログインすることができたら、簡単になるだろうか。 IDとパスワードだけでは、なりすましや盗聴などの被害が多い。ワンタイムパスワードや電子証明書という鍵を使う方法を取り入れられないだろうか。 ただし、安全でも、面倒な方法は普及が難しい。指紋や顔といった本人の特徴を使えないか。
「3人に1人が使う」という状態に向けて、可能な手段を準備する。ただし、近い将来には見直す前提で。
デジタルIDの変化は早い。ひとつの技術で、一直線に普及していく計画はうまくいかない。使い勝手の良さや費用の低さを武器に特定の利用者で3割をとって、一気に普及させられないか?