Our Approach

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New Storiesの事業の中心は、事業開発です。業務の種類としては「コンサルティング」になりますが、プロセスと体制に特徴があります。事業開発プロセスについては、以下にご説明する基本方針をお客様の事業領域や目標に合わせて埋め込み、「何をするか」よりは「誰とどこでするか」に重点を置きます。体制面では、お客様側のチームが主体となって動いていただき、New Storiesが「伴走」します。「伴走」とは、お客様チームによる試作品やパートナー交渉案、顧客への提案等の壁打ちを行うことです。

Basic Policies / 基本方針

まず、未来につながるサービスや施策を、企業や行政が具体化するときの2つの要諦を押さえましょう。これらは経営理論であり、細かく定義・定型化されたプロセスではありませんが、優れたリーダーや組織が活用・実践しています。

基本方針その1は「弱いつながりを強くする」です。分かりにくい表現ですが、まず「強い」つながりは、接触頻度が多い/一緒にいる時間が長い/心理的に近い、などの特徴があります。社内や取引先は典型的な強い繋がりになります。「弱い」つながりは、相対的にこれらが少ない関係です。イノベーションに有用なアイデアや情報は、後者の弱いつながりから来ることが明らかになっています。

しかしながら、伝統的な日本の組織では、弱いつながりを把握し、それを強めるような人事や育成をしているところは限られています。

基本方針その2は「正解ではなく、腹落ちから始める」です。これについては、独りよがりで客観性がない企画が増えるのではないかという懸念を抱くかもしれません。しかし、事業開発という状況を考えてみてください。情報は不十分で、実現したい価値は複雑なことが多いでしょう。そのような中で「正解」を求めると、企画が丸くなり、魅力や競争力が削がれていきます。

階層型の組織では、文章やデータで下から上に説明が続いていくため、「正解」を求めるバイアスが強く働きます。

Location / 場所の重要性

「弱いつながり」や「腹落ち」を得るには、場所に拘ることが効果的です。New Storiesには、深いつながりのある地域がいくつかあります。それらの地域の特徴は以下の通りです。

  • 批評や批判に留まらない、手を挙げて自ら作る文化
  • 組織やセクターを越えた良い関係の蓄積
  • 大きな変化を牽引するタグボートという意識

こうした地域で、社外に開かれた形で、自社の事業開発をどのように進めるのか。最初は戸惑うことが多いと思います。知財管理はどうするのか。出張費用は経費になるのか。報告書に何を書くのか。伝統的な組織で一般化した呼び方はありませんが、組織を越えて共創できる「越境人材」や「インタープレナー」と呼ばれる人材が、少しずつ浸透してきています。

New Storiesのプロジェクトでは、革新が起こりやすい地域で自由に動くことができる人材を組織内で発見し、育成することを目指します。

Creativity by People / 人が生み出す変化

「弱いつながり」からイノベーションにつながる知の組み合わせが生まれ、具体的で「腹落ち」するストーリーと試作品が生まれた後のプロセスにも工夫が必要です。なぜなら、事業開発は、答えが明確でいくつかの要件に因数分解できる仕事ではなく、仮の答えを元に行動に移し、関係者や利用者のフィードバックを得ながら進めていくことが求められるからです。

こうした進め方は「システム思考」や「デザイン思考」などの形で1990年代から企業や行政にも紹介されてきましたが、定着している組織は限られています。

New Storiesのプロジェクトでは、新しい思考法や行動の実践者が、事業開発のメンターとして参加する形をとります。プロジェクトの初期では「落とし所が説明できない」「市場規模が分からない」などの戸惑いがありますが、企画が形になっていくにつれて、チームメンバーの思考や実践が変化していきます。

Scalability / スケールや横展開について

「誰とどこでするか」に重点を置いたとき、それは「スケールするのか」や「横展開できるのか」ということがよく問われます。New Storiesのプロジェクトは、伴走という形をとるため、参加いただく人数は複数年で数十名程度が上限になります。

「場所」と「人」について、継続的なイノベーションを起こす方法はいくつかあります。

まず汎用性が高いのは、越境人材やインタープレナーを見出し、育成することです。越境人材は、組織やセクターを越えて、弱いつながりを創ることに長けています。また場所も含めて継続性を求めるときは、リビングラボに関わるやり方があります。リビングラボは歴史的には、90年代の米国におけるオープンイノベーションから、2000年代の北欧のリビングラボに発展し、日本では2010年代に全国で複数のラボが生まれています。

こうしたやり方は、企業や行政にとっては、前例がない、あるいは似たことを過去にやってうまくいかなかった、というご意見があるかもしれません。これについては、不安な材料を伺って、ご提案させていただきます。

FAQ

プロジェクト例やアプローチについて、よくいただく質問をまとめます。

  • 大手コンサルティング企業のサービスとの違いは何か?

    New Storiesの事業開発コンサルティングは、機能追加などの「現業の価値を深める」ことより、近い未来の「新たな価値を探索する」ことに重点を置きます。探索するためには、アプローチにあるように新たな組織能力を獲得することが重要です。

    大手コンサルティング企業は探索を支援できない、ということではありませんが、New Stories代表の太田がもつ、企業や行政、ソーシャルセクターという広いネットワークとテーマの知見は、他社にない価値の提供につながっています。

  • New Storiesのサービスを内製化できるのか?

    価値の探索には、越境人材やリビングラボなどが有効であることが分かっています。これらは、伝統的な団体のルール(人事、法務、経理など)を調整すれば、自ら活用することができます。それを通じて、価値の探索が高まります。

  • 得意・不得意は何か?

    あらゆる領域の価値を探索できるわけではありませんが、New Stories代表の太田は、領域を横断して活用されるデジタル技術について、企業、行政、非営利組織で経営者として関わってきたことから、経験とつながりの幅が広く、お客様の関心領域に合わせてチームを組み、伴走させていただきます。

  • 代表の太田一人でコンサルティングを行うのか?

    プロジェクトにおける関心領域に合わせて、チームに専門家が参加する形で事業開発をご支援します。これまで、ウェルビーイング、デザイン思考、認知症とデザイン、ランドスケープ、MaaS、シビックテックなどについて豊かな知見・経験がある専門家が参加しています。

  • 新規事業についての調査や実証は可能か?

    価値の探索においては、概念実証(PoC)を適切に開かれた形、すなわち、利用者やステークホルダーが参加しながら進めていくのが効果的です。そのプロセスで事業性の調査や実証を行います。